毎月2回、第1、3土曜日に歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあ
ります。
今月も、戦国時代末期に創始された一刀流に伝わる歌を取り上げます。
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生き死にのさかひを悟る業(わざ)なるを 人ききばかりしては至らじ
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人に尋ねたり、人の真似をしたりでは十分な業を身に着けることはできない、と述べています。ましてここでいう業とは、単なるスキルではなく生きるか死ぬかの境を悟るものなのです。自分自身の生き方
をしっかりと見つめ考えなければ、そこに至ることはできません。
武術に限らず、人生の大事な局面において大切な心構えだと言えるでしょう。
現代に活かす武道歌(36)