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ハラスメント問題について考える(11)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
 ハラスメント問題について考える(11) 単なる言い訳
                                      占部 正尚

 指導的立場にある人間がハラスメント行為に及んだ場合、指導
者として失格であるということを自他ともに例外なく認識する必
要があります。
 相手の成長や成功を願うという気持ち、すなわち正当な「目的」
があったとしても、ハラスメントという「手段」を取ってしまった
瞬間、その気持ちは愛情や情熱の類ではなくなります。
 つまり、考えに考え抜いて根気よく指導ができなかったことに対
する単なる“言い訳”に過ぎないのです。
 スポーツの世界でハラスメント問題が取り沙汰されたとき、ハラ
スメント行為を受けた選手の「厳しい指導のおかげで勝つことがで
き、今の自分がある」という発言が注目を集めました。
 有識者の中には「本人が問題にしていないのだから、周囲がとや
かく言うべきではない」、「本人の意思を尊重すべきである」と述
べる人が意外と多かったことを記憶しています。これは、ハラスメ
ント問題の根深さを如実に表しています。
 その選手は体罰という最も重いハラスメントを受け続けたにもかか
わらず、勝つという「目的」のための「手段」として、ハラスメン
が正当であるかのように勘違いしているのです。
 もし将来引退して指導者になったとき、同じ「手段」を後輩たちに
講じてしまう可能性は高いでしょう。周囲の大人たちは、「ハラス
ントを受け入れて当たりまえ」と若者に考えさせてしまった罪を猛
すべきです。

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soshikan

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