メルマガバックナンバー 占部正尚執筆記事

ハラスメント問題について考える(12)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
 ハラスメント問題について考える(12)論外な行為「怒る」
                                       正尚

 ハラスメント問題を解決する糸口として、それがどのようなタイ
ミングで起こるかを考えてみましょう。言うまでもなく、指導的立
場にある人間(リーダー)から見て、相手の行動や出した結果が好
ましくないと思われる時に発生します。
 その際に怒りがこみ上げて「バカヤロー」と怒鳴ったり、叩いた
り蹴ったりするとハラスメントと呼ばれ、現在では法律によって裁
かれる場面も増えています。
 そこで、なぜ怒りが言動や行動となって表れるのかを考えると、
ハラスメントの本質が見えてきます。その理由の一つは、このまま
では相手が望ましいレベルに成長できないという苛立ちです。
 もう一つは、相手を成長させられていない自分に対する苛立ちであ
り、このままではリーダーとして周囲から評価されないかも知れな
という焦りです。
 前者は相手のことを一見考えているようですが、成長に向けてきち
んと指導することなく感情を発露しているに過ぎません。後者に至
ては、リーダーとしての未熟さを反省することなく、相手に原因が
るかの如く責めることになりますので、論外といえます。
 このように、相手を感情にまかせて「怒る」という行為は、リーダ
ーの自分勝手な自己満足の行為であり、教育・指導の手段とはなり
ません。

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