メルマガバックナンバー 水江泰資執筆記事

ワークショップをやってみよう(14)

こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーションスキルを紹介しています。ファシリテーションを応用し、ワークショップを社会人教育で活用するための手法を学んでいきましょう。
前回は、アクティビティを目的別に「課題達成」と「人間関係作り」の2種類に分けました。今回からは、それぞれの代表的なものについて事例を挙げて解説していきます。今回はまず、「人間関係作り」のためのアクティビティ、「グループ分け」を紹介します。
ある製造業で『部門間の風通しをよくする』というテーマで、各部門から数名ずつ、30名ほど集められました。この設定は今後共通です。
アクティビティは4~5人のグループに分かれて進める場合が多く、課題達成の成否は参加者の関係性で決まります。ワークショップ会場での座席を自由にしておくと、同じ部門の親しい人で集まったり、消極的な人は後ろの目立たない席に座ったりします。そのような状態で、席が近い人とグループを作らせるとグループの取り組み姿勢に温度差が出てしまい、雰囲気を整えるのに苦労します。
そこで、参加者が入室してきたらとりあえず自由に座らせ、揃ったら次の案内をしてください。セリフで示します。
「今回の課題は、フレッシュな関係からスタートしましょう。違う部門、会話をしたことのない同士4~5人でグループを作ってください。では、立ち上がって声を掛け合ってください」
戸惑う人が多いようなら、ファシリテーターが「同じ部門?」「会話したことある?」など声をかけながらグループづくりを促すようにしましょう。
事前に主催者側でグループを作っておくことはお勧めしません。座席指定があると参加者が「何か仕組まれているのは?」と抵抗感を示す場合があります。参加者同士が自主的に声をかけあうことで、人間関係が作られます。

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