こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
今回は、会議を楽しくする方法のふたつめとして、「事前の資料共有」を紹介します。
コロナ禍でオンライン会議が普及していますが、それ以前は、一般的には対面で開催されていました。その際、資料はいつ配布されていましたか? 会議が始まる直前に準備担当者が配るやり方が多かったのではないでしょうか。そうすると、参加者はその場で資料を読まなければならず、議題を十分に検討することができません。
配っている時間もムダです。
オンライン会議の利点のひとつは資料の共有のやりやすさですので、事前配信をお勧めします。参加者が事前に情報を得て、議題に対する予習ができ、当日は質の高い議論が期待できます。データが足りない、論旨が甘いなど多少不備があったとしても、できた段階のものと断りを付けて送りましょう。配信されるのは紙ではなく電子ファイルですから瞬時に届きます。間違いや修正があっても再送信が容易にできます。
最近学校教育では「反転学習」という手法が導入されつつあります。文字通りそれまでの授業形態を「反転」させたものです。学校に来てから教科書の新しいページを開いていたのに対して、家庭で予習を行ってくれば、授業では質問をぶつけ合ったり、実践的な演習ができたりというやり方です。
この方法を会議に適用すれば、やる気のある参加者同士では、すぐに議論に入れます。しかし、予習をしてこない参加者は取り残されていきます。そのため、予習を意欲的にできるかが鍵なのですが、そのひとつが事前配信される資料に関する工夫です。
次回は会議を楽しくする方法のみっつめとして「魅力ある資料の作り方」をお伝えします。
オンラインによるファシリテーション(5)