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ファシリテーションの基礎スキル 傾聴(9)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回まで傾聴と質問のスキルを紹介してきました。これらは、話す相手をもっと深く知りたい意図を持ち、信頼関係を深める効果があります。
今回は『沈黙の活用』です。沈黙とは、話す相手との間にやりとりがない状態です。
「え?お互い黙っちゃうの?それ会話じゃないよね?話が進まないのに活用ってどういうこと?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
実は沈黙は、言葉のやり取りをより親密にし、信頼を深めるために重要なのです。
こんな方はいらっしゃいませんか。質問し、すぐに返答がないと不機嫌になってしまう。そして、「なぜ、答えないの?」「話を聞いていないの?」「返事が無いのはOKの意味?」などと追い詰めてしまう…。
 この時の質問者の心理はこうです。相手のだんまりの態度が自分を無視しているように感じる。だから、沈黙に耐えられず、質問し続けてしまうのです。
質問者には沈黙は長く感じがちですが、相手はどう答えようかと一生懸命考えているので短く感じています。また、沈黙の静けさが新しい気づきを促したり、焦っていた気持ちから落ち着きを取り戻したりする効果もあります。
本当に相手の意見を聴きたいのであれば、10秒ほどの沈黙には耐えられるようにしましょう。そのためには、時計を見ずとも「今何秒くらい経ったか」という感覚を身に付けておくと便利です。
筆者の例を紹介します。質問と同時に『ハッピーバースデー トゥ~ ユ~』の曲を心の中で歌います。最後の『ハッピーバースデー ディア○○さ~ん ハッピーバースデー トゥ~ ユ~』までのフルコーラスで筆者は20秒で、これを3回繰り返せば1分間の沈黙になりますが、概ね1回目の途中で相手から声が出ます。皆さんも好きな曲で試してみてください。
次回は『沈黙での応え方』を紹介します。

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