メルマガバックナンバー 大嶋利佳執筆記事

言葉選びは人生の選択

 私は常々、言葉を選ぶとは人生を選ぶことだ、と考えています。
 前回、自分のことを「私、バカなんです」という人がいたことを述べましたが、その人はそういう生き方を選択しているとも言えます。単なる軽口だとしてもその発言で自分を貶め、周囲の人からも軽んじられる、そんな生き方になっていきます。これは本当に残念なことです。
 しかし、自分を貶めるのはダメ、持ち上げるのはいいというわけではありません。
 自分の人生を納得できるものにするためには、自分にとってもっとも納得できる、望ましい言葉を選ぶことが大切です。
 あるプレゼンテーション研修で、受講者が「私は話すのが苦手で、準備もできてないし・・・」とこぼしたことがあります。講師を務めていた私はすぐに、そのような発言はしないように注意しました。すると、その受講生はすぐにこう応じたのです。
 「すみません!私は話すの得意です!今日もばっちりです!」
 一転して、前向き、積極的な発言になりました。
 「それ、本当にそう思っていますか?」。
そう尋ねるとその人は「え?いえ・・・」と言い淀みます。ついさっきまで苦手だとこぼしていた人が、注意されたらいきなり正反対のことを言う。それは他人への迎合であり、虚勢です。自分に嘘をついているとも言えます。そんな言葉を使っていては周囲から尊敬されないし、なにより自分自身が納得できないでしょう。
 では、どうすればいいのか。どうすれば、もっとも自分にとって納得できる、望ましい言葉が見つかるのか。この答えを他人に求めず、自分で考え抜くことが人生を考えることにつながります。

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