こんにちは!第1、3月曜日を担当いたしますキャリアコンサルタントの柴田登子です。今回から3回にわたって、キャリア形成についてお届けします。
「キャリア」の語源をご存じでしょうか。英和辞典では職業、職歴、経歴などとされていますが、もとはラテン語で轍(わだち)、車輪が通った跡を意味します。
日本ではキャリアウーマンとか、キャリア官僚という言葉が一般的であるため、キャリア形成は特別な人がするもの、と捉えられがちです。しかし、馬車を走らせたとき、王様を乗せる豪華な馬車も、ちいさな貨物用のものでも轍は残ります。また、立派な街道を通っても、土がむき出しの細い道でも轍は現れ、速度が違っても引かれていきます。人が生きている限り、馬車と同じようにキャリアという轍は誰にでも残るもので、エリー
ト街道を行く人だけのものではないのです。
バブル経済までの日本は終身雇用、年功序列が当たり前でした。同じ規模の馬車、同じスピード、同じ道から逸れなければ「安定」に守られてきました。その後バブルが崩壊し、日本社会はそれを徐々に維持できなくなり、さらに多様化の時代もやってきました。
これからは一人ひとりが自分の残した轍から自分の通ってきた道が自分に合っているのかを検証し(キャリアの棚卸)、どんな道、馬車、速度で進むのか、そしてどこを目指すのか(目標設定)を考える、つまりキャリア形成を意識する必要があるのです。
次回は「キャリアの棚卸」についてお伝えします。
「キャリア形成を意識する」 その(1)キャリアって何?