メルマガバックナンバー 柴田登子執筆記事

人前で話すメリット(3)

こんにちは!第1、3月曜日を担当いたしますキャリアコンサルタントの柴田登子です。

 今回の人前で話すメリットをお伝えするシリーズは「自分についての理解が深められる」についてです。スピーチを頼まれたり、プレゼンテーションをすることになったりしたとき、誰でも原稿を書き練習をするでしょう。たいていの人は原稿を書き始めると、あれも言わなきゃ、これも説明しなきゃ、とどんどん内容が膨らんでいきます。しかし多くの場合「3分以内で」などと持ち時間を決められているため、どうにか言いたいことを整理して時間内にまとめる必要があります。このときの「試行錯誤」で、物事の本質や自分の本心に気づくことがよくあります。大勢の前で語る機会は求められた情報を伝えるだけでなく、思わぬ自己理解につながるのです。

 例えば、結婚披露宴で新郎の友人代表のスピーチをするとします。結婚への祝意を述べるときは彼の人格をほめたたえ、それが伝わりやすくなるようなエピソードを挿入するものです。原稿を書くときに「一緒に旅行に行った」「ケンカした」「助けてもらった」と出来事はつぎつぎに思い浮かびます。しかし、それらからどう新郎の良さを示すのかは案外悩ましいものです。感覚的になんとなく「良い友達」と感じていても、それらの出来事からなぜそう思ったのか、いちいち意識していないからです。スピーチでは第三者に伝わるようにするために、その普段はしないことをする必要があります。「ケンカしてもすぐ仲直りできたのはあいつが先に折れてくれたからなんだ」とか「1人でできているつもりでも、あの子がいないと何もできていなかったな」などと具体化させていきます。すると改めて気づいていなかった事実や、新郎のどんなところに友情を感じていたのかを認識できるのです。

このように人前で話す機会は本来の目的とは別に、普段は深く考えなかったことに対する気づきももたらしてくれます。自分をよく知るタイミングとして積極的に引き受けてみてはどうでしょうか。

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