みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
今回から「描写力」を取り上げます。プレゼンでは、相手にわかりやすい説明をすることは大切です。しかし、それだけでは十分ではありません。そこに、描写力を加えれば、成功するプレゼンになります。
描写とは、ものの状態や心に感じたことをいきいきと表現する方法です。相手に、実際にその場にいるように感じてもらうと、共感してもらいやすくなります。
私が営業パーソン時代に、顧客に企画提案をプレゼンする時、理屈での説明だけでなく、描写力にこだわっていました。それは、成約する可能性が高まるからでした。ポイントは五感に訴えかけることです。五感とは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚です。今回から一つずつ順番に考えていきます。
最初は、視覚に訴えかける表現です。
仮にあなたが旅行代理店の営業担当だとします。顧客にあるプランを薦める例を見てみましょう。
A案
営業「このホテルは、温泉が目玉です。山頂にあるため、露天風呂から見える周りの景色は圧巻で、周りの山が見えて、自然を堪能してくつろいでもらえます」
顧客「ふーん・・」
B案
営業「このホテルは、温泉が目玉です。山頂にあるため、露天風呂から山の青々とした木々がそばに見え、連なる山に、朝や夕方には霧が出て、太陽の光りがあたりを朱色に染めて、この世とは思えない光景になります。それを堪能してくつろいでもらえます」
顧客「いいですね・・」
A案では、どんなプランかを理解できますが、顧客はピンときていません。B案では、顧客は、自分がその景色を見ているように想像できたようです。
描写力を鍛えるには、日頃の会話でも使ってみましょう。例えば「私がクマンバチに追いかけられたと言ったら、Cさんはびっくりした」より「目をまんまるにした」と言う方が、情景が目に浮かびます。このように練習することで、描写する力が育まれます。
では、またお会いしましょう。
「ビジネスで役立つプレゼンテーションのエッセンス!」(11)