毎月2回、第1、3土曜日に歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
今月は、江戸時代後期に創始された北辰一刀流に伝わる歌を取り上げます。
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極意とは己がまつげの如くにて 近くあれども見つけざりけり
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身近なものほど見つけにくいとはよく言われます。まつげはもっとも目の近くにありますが、見えません。この歌は、極意とはこのようなものだと述べています。極意というほどではなくても、私たちの日々の生活の中にも、見えないけれども近くにあり、そして大変重要なものがいろいろとありそうです。そうしたものを探すことから、また新たな発見があるかもしれません。
本年もよろしくお願いいたします。
「現代に活かす武道歌」(49)