メルマガバックナンバー 大嶋友秀執筆記事

「営業でつかんだコミュニケーションのツボやコツ!(28)

 みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
 前回までは商談の経験からトピックを出していました。今回からは、幅広くコミュニケーションの現場で見つけた、日々の活動で使えるツボやコツを紹介します。
今日のツボは「自分の言葉」で語ることです。私が建築材料メーカーの営業をしていたとき、社長と客先周りをして工場街を歩いていました。その時、社長がぼそっと言いました。
 「この辺の工場を見てみい。全部、綺麗に塗り替えたら、みんなも気持ちよく働けるで!」
 私は、ハッ!としました。この言葉から会社の経営理念の意味がはっきりとわかったからです。それは「建築塗剤メーカーとして、常に製品を革新し、生産販売を通じて社会に貢献すること」というものでした。会社では朝礼のたびに全員で唱和させられていました。それこそ、私も何百回も言葉にしていました。しかし、意味を理解できていなかったのです。社長の気取らない言葉で、私ははじめてそこに込められた意味と創業者の思いを感じとりました。
 これは日常生活やビジネスでも同じです。気取った言葉で言うよりも、思わずこぼれたり、素直に話したり、必死になって出た言葉にその人の熱意や思いが加わり、説得力が出てきます。
一つ例を考えましょう。
N G例
上司「この書類を、今週中にまとめてもらえませんか」
部下「誠に申し訳ありません。別件があってお引き受けいたしかねます」
これは丁寧ではありますが、事務的で好感を持てないでしょう。
O K例
部下「ああ、申し訳ないです。急ぎの別件があってどうしても引き受けることができないのです!」
こんな風に言われると、上司としても、仕方ないなと思って、決して悪い気はしないでしょう。言葉は意味を伝えます。それと同時に、その人の思いも伝えていきます。気持ちよく仕事をしていく中で、重要なのは、自分の言葉で伝えることです。
では、また、お会いしましょう。

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