メルマガバックナンバー 松原里実執筆記事

「接遇のチカラ」(36) 相手のためのコミュニケーション~思っていても伝わらない

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
接遇には「相手のペースを大切にする」視点は欠かせません。
コミュニケーションへの評価はそれぞれの感じ方で違いがでるので、自分だけの考え方や既成概念に囚われず、柔軟な心を持たねばなりません。
最近、ニュースで、ある美容院で「会話なし」のコースを設定したところ大好評になっていると知りました。このコースは、スタッフさんとの会話は必要最小限にする。つまり「おしゃべり」はしない、というものです。
 私は、この記事に嬉しくなりました。正直な本音を言わせてもらうと、スタイリングしてもらう時間は、ゆったりとした時間を過ごさせてもらいたい。雑誌を読みつつ、静かな時間を楽しみたい派です。だから、あまり近しくない美容師さんと気を使ってトークしなきゃいけないのは、ちょっとつらいなぁ…。そんな気持ちを抱えていたからです。
 さらにニュースが教えてくれたのは、美容師の皆さんは「お客様を退屈させないように話しかねばなければいけない」という暗黙のルールに縛られているとのことでした。美容師の方は、お客様の「素敵」「嬉しい」を提供するスペシャリストです。ですが、その使命感から「話しかけねばならない」というプレッシャーを抱えているのだと知りました。
 今回の「会話なし」というメニューは、客が「静かに過ごしたい」という本音を伝えられ、かつ美容師を「ねばならない」から解放するwin -winといえます。
 コミュニケーションは、まず相手に共感することが必須です。
ビジネスでは、そこから相手のニーズを感じ取り、自分の職務上で、お相手に選択肢を提供するのが責務です。とはいえ、一生懸命なあまり、目の前の相手を見ず、教えられたことにこだわっていたら、残念なすれ違いを生じさせるかもしれません。
 コミュニケーションは双方向で作り出すものです。教科書は一旦おいて、まずは目の前のお相手を見つめましょう。そんなことに、ふと気がつかされたニュースでした。

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