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セカンドキャリア世代のリスキリング(5)

 こんにちは!第1、3月曜日を担当いたしますキャリアコンサルタントの柴田登子です。
 「セカンドキャリア世代のリスキリング」、最終回の5回目は「実はリスキリングに本当に必要なもの」についてお伝えします。セカンドキャリア世代の面談でよく「何を学べばいつまでも働けますか?」と聞かれます。人生100年時代において少しでも働き続けたい、そのために学びたいという声は年々高くなっています。しかしセカンドキャ
リアを意識する世代こそ、学びの前に重要なものがあります。それは「何事も受け入れる柔軟性」です。特に定年後再雇用など、今の職場で末永く働くのを望む人にはとても必要な資質です。
 定年後再雇用制度のある企業では、60歳時点では希望すればほとんどの人が継続雇用されます。一方で65歳の再々雇用では、会社からの評価を経て残留できる人はごくわずかです。ではどのような人が選ばれているのでしょうか。
 再雇用されるとたいてい役職を外れます。これまでは部署を統括しメンバーを率いてきたとしても、これからは年下の上司に従って仕事をします。ここで多くの人が自分に起きた変化に対し、行動を改めることができずにいます。秘書やアシスタントがしてくれていた作業も、役職を外れると自分でしなければなりません。ですが長年人にしてもらっていたのでできない、または自分がすべきではないと周囲に押し付けてしまいがちです。また、再雇用後にかつての部下が上司になっても、相変わらず自分の方が偉いと言わんばかりの態度で接するのを良く見かけます。そのような人は管理職からすれば大変「使いにくい」と感じられ評価を下げざるを得ないので、その結果再々雇用の対象から外れてしまうのです。
 再雇用以降の評価ポイントはもはや役職者ではない自分の立場を弁え、なんでも進んでやる姿勢です。それを受け入れる柔軟性こそ、技術や資格よりも真っ先に身に付けるべきだと言えるでしょう。

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