メルマガバックナンバー 大嶋利佳執筆記事

現代に活かす武道歌(47)  

 毎月2回、第1、3土曜日に歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
 引き続き、戦国時代末期に創始された一刀流に伝わる歌を取り上げます。
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 わざにのみとりあふ程の下手ぞかし 上手といふは心なるべし
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 「とりあふ」はかかわりあうという意味です。技術の習得ばかりに取り組み、それにこだわっているうちは下手であると述べています。上手かどうかは心、つまり精神状態にありますが、その境地に至るにはまず技術を身につけなければなりません。技と心、どちらが大事かという話ではなく、技だけのレベルにとどまっていてはいけない、と受け取るべき歌です。

■■受賞報告
 当メルマガ筆者の大嶋利佳が、石川県白山市が主催する第38回暁烏敏賞第一部門(哲学・思想論文)に応募し佳作(二席)に選出されました。題目は「中川一政の画業にみる武道精神~宮本武蔵「独行道」を受け継ぐ」です。11月26日に発表され、12月中には市のホームページに全文掲載される予定です。

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