毎月2回、第1、3土曜日に歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
今月も、戦国時代末期に創始された一刀流に伝わる歌を取り上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一二三四五六まではのぼれども 七八九より十におこたる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おこたる」は怠けるという意味です。一から十までを数える単純な歌ですが、「半分くらいまでは頑張るけれども、それを過ぎると努力が続かなくなる」という様子が、簡明に表現されています。
誰でも、このようになってしまった経験があるでしょう。何事も、五、六の段階までは進めるものです。差がつき、勝負がつくのはその後なのです。
(8月20日(土)は夏季休刊とします。次回配信は9月3日(土)に配信します)