毎週第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
今月も、柳生家の家臣、庄田喜左衛門(江戸時代前期 生没年不明)の歌を取り上げます。
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太刀構え捨てはててこそ兵法の ひろき教の道はしるなれ
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太刀の構えを知り尽くした上で、それを越えてこそ兵法の教えの広さが分かる、という意味です。「守破離」という言葉もあるように、何事もまずは教えられた基本を守り、その後自分なりの応用や独創に進むのが上達の道です。「捨てはてて」は、基本を捨てるというよりも、身に着け尽くすということでしょう。まずは基本を大切にしたいものです。
現代に活かす武道歌(17)