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オンラインによるファシリテーション(13)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回は、議題の進め方には4つの段階があることを紹介しました。
1)共有する 2)傾聴や問いかけを行う 3)意見をまとめる 4)結論を出し実践につなげる、です。
これらを今後毎週ひとつずつ説明していきます。
今回は、第1段階「共有する」です。
ここでの共有とは、参加者に議題の主旨を理解させ、課題解決に臨む意識を持たせることです。
議題に対する関心度合いは、提案者と参加者との間で温度差があるのは当然で、それを埋めるのもここの目的のひとつです。
共有のテクニックとして、司会が提案者に問いかけながら進行します。
「なぜ議題として取り上げたのですか」
続けて、次のようなフレーズを用い状況や背景を明確にしていきます。
「何が問題点として挙がっているのですか」
「いつからその問題は発生しているのですか」
「解決したいことは何でしょうか」
このように問いかけと返答を重ねていきますが、その時の言葉には注意してください。
例えば、「職場のコミュニケーションが悪いので改善が必要」という議題が挙がっているとします。この時、提案者が「○○さんのせいで雰囲気が悪い。私の言い分が正しい」というような発言や態度を取るならば、参加者に良くない影響を与えます。
しかも、司会が焦って「(言われた)○○さんはどう思いますか?」と意見を求めてしまうと、良い話し合いにはなりませんので、問いかけは提案者のみにします。
同時に参加者に適度な頷きや視線があるかなど態度や表情を観察し、議題への関心度合いを確かめます。
そして、一連の説明を終え、「なるほど、議題として取り上げる理由がわかった」と共感を得られれば次の段階へ移れます。
次回は、議題の進め方の第2段階「傾聴や問いかけを行う」について説明します。

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