プレゼンテーションを成功させるためにはさまざまな知識やスキルがありますが、結局は話す人の存在感、その人の全体からにじみ出てくる人間性で決まる。そう私は考えていると前回述べました。人前に立ち、ほんの数分でも言葉を発すればそこにその人の考え方、生き方が伺い知れます。周囲の人たちにどんな自分のどんな姿を示していくのか。これは私たちの一生の課題かもしれません。
今年は思いがけず、社会が大きく変わった年となりました。さまざまな予定が延期、中止となり、人と直接会い、集まる機会が激減し、コミュニケーションの在り方も大きく変わりました。オンライン会議が広く行われるようになったことは、特に大きな影響があったと言えるでしょう。パソコン画面を通じたやりとりは、人の存在感を薄くて平板なものにしてしまったように思われます。直接会っていたら感じ取れるその人の息遣いや雰囲気のようなものは、パソコン越しには分かりません。そうした中で、いかに自分の存在感を相手に伝え、コミュニケーションを効果的にすることができるか。これが来年以降の新たな課題になりそうです。
どんな時代にあっても、人の心を打つのは日々を真剣に生きている人の言葉だと思います。どんな言葉を選びながら、どう生きていくのか。年末年始にじっくりと考えてみたいことです。