こんにちは!毎週水曜日を担当いたします水江 泰資(みずえひろよし)です。
前回まで、ある会社の企画課での新製品検討会議シーンを紹介してきました。
A課長の命令とはいえ、何のために召集されたのかもわからない課員たち。一人一人が重い空気を背負わされていました。誰もが
「勘弁してほしい」と思っていました。
すると、今まで黙っていたHさんが重々しく絞り出すように発言しました。
「あの…、アイデア出しだったら、会議を開催する前に言っていただくとか… 考える時間が欲しかったです…」
Gさんも続けます。「私もです。正直、アイデア出しは苦手なので…」
Fさんは相変わらず俯いたままです。
突然、Dさんが「課長、どうしましょう・・・」と問いかけと絶望が混ざったような声を発し、同時に(しまった!)という表情を見せました。上司評価がすべてのDさん。こんな頼りない発言をしては、課長にからダメなやつだと思われてしまう、と恐れたからでした。
「どうしようか…」途方に暮れる企画課の人たち。時計は10時30分。
開始予定時刻から30分も経っています。
「今日は一旦解散しようか…」A課長は寂しくつぶやきました…
このエッセイでお伝えしたいのは、ファシリテーションの重要ポイントとして、会議の目的を知る、そしてメンバーの関係性づくりの大切さを認識することです。
次回は主催者であるA課長は、実りある会議にするために具体的にどうすれば良かったのかを解説していきます。
ファシリテーションで多様性を活かす(9)