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ファシリテーションで多様性を活かす(19)

こんにちは!毎週水曜日を担当いたします水江 泰資(みずえ
ひろよし)です。
前回まで、ファシリテーションの基本となる5つの重要ポイント、
次いで、見落としがちな実践テクニックとして、第1回『意見と人
を切り分ける』をご紹介しました。
今回は、第2回『決め方を決めておく』です。
会議の終了時刻が迫ってきました。ところが、一向に結論が出そうにありません。メンバーは「この先どうするのかなぁ…」と気になり始めました。時計をちらちら見ています。
そんな様子を察して、ひとりが「そろそろ予定時刻です。早く結論出しましょうよ!」とけしかけました。すると、それに反発するように「焦ったらだめだよ~。この議論は重要だから、とことん話しあいたいです」という声があがりました。そうすると、また別の人が「私、次の会議があるので、結論は皆さんにお任せします…」「そうだそうだ、あ、部長(責任者)一任がいいですよ!」などと言い出す… そんな無責任な…と怪訝な表情をする人もあり、一転して険悪なムードになってしまいました…。
会議とは、テーマの「決定」に向けて議論を積み重ねていく活動ですが、その「最後」について意識している人は案外少ないのではないでしょうか。
ビジネスは時間との戦いです。会議の予定終了時刻は言わば「納期」であり、それは厳守されるべきものです。
ですから、予定終了時刻には必ず結論を出し、上部層へ提出する、と事前通達しておけば、会議に臨むメンバーの姿勢や気持ちも積極的になります。
併せて、結論が出ない場合の決定方法を周知しておくのも議論の活性化に効果があります。
例えば、議長(または上席者)一任にする、であれば、他人に意思を委ねたくない人たちは頑張って意見を述べ合うでしょう。その他、メンバーの多数決にする、もあります。
いずれにしても、議論に入る前に、皆が納得する「決め方」を検討し、周知しておきましょう。
次回は、ファシリテーション実践における見落としがちなポイント第3回として『受け止めると受け入れるの違い』を紹介します。

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