メルマガバックナンバー 大嶋友秀執筆記事

「営業でつかんだコミュニケーションのツボやコツ!」(18)

 みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
 営業の商談をテーマにした12回目です。引き続き「論理的コミュニケーション」について考えます。今回のポイントは、発言に事例を加えることです。話を聞いた相手は理由だけでは納得できない場合があります。その時、根拠となる具体例があると、相手の言動に影響を与え、説得できるようになります。
 例えば、上司から急に「この企画書のまとめを手伝って!明日までにやってくれ!」と言われたら、あなたは「私も忙しいんですけど!」と断ろうとするかもしれません。しかし、上司がこう話しました。
 「常務がいつも言っているだろ。私はどんな仕事も断らないでやってきたから、今日の私があるって」
 あなたはその話を聞いて、頑張ってみるか、と思い直すかもしれません。これは、常務の事例で、自分の状況を考えるきっかけになったからです。
 他のケースも見てみましょう。営業の一場面からです。
【ケース1】
営業「このサービスをお勧めします!コストを下げられるからです」
顧客「そうなの?どれぐらい?」
営業「えっ、いや、とってもです!」
顧客「そう言われても・・・」

【ケース2】
営業「このサービスをお勧めします!コストを下げられるからです」
顧客「そうなの?どれぐらい?」
営業「他社の事例ですが、月平均40%のコストダウンにつながっています」
顧客「そうですが。それなら検討してみる価値はありますね」
 ケース1では、営業パーソンは具体的な内容をたずねられて感情的に応対しています。しかし、ケース2では、他社の成功例を紹介しています。このように、理由だけで相手が納得できない時、事例があれば「なるほど」と思ってもらえます。
 日常会話では、なぜなのかを話して済むこともあります。しかしビジネスで相手を説得したい場合、理由だけでなく事例があると効果的です。日頃から仕事についてのいろいろな具体例を意識しておくと、いざという場合に役立つでしょう。
 では、またお会いしましょう。

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