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ファシリテーションで多様性を活かす(35)~オンライン会議に良い影響を与える方法。第11回目 『導入編 そもそも会議とは何か、議論とは何か』

 こんにちは! 
 毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
 本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
 今月は『オンライン会議での議論の進め方』をテーマに、主に司会をする人に役立つ、話のまとめ方や参加者の満足度を高める方法を紹介します。
 前回まではその準備段階として、通信環境の整備や会議アプリの活用ポイントについて述べました。
 今回からは議論の進め方の具体的手法について述べますが、まずはそもそも会議とは何か、議論とは何かを説明します。
 会議とは、参加者が議題について話し合いをすることです。そして、話し合いは3つの種類に分けられます。「会話」「対話」「議論」です。
 私たちは、会議とは議論をする場であると考えがちですが、議論だけではないことに注意してください。まず「会話」や「対話」があり、その発展の上に「議論」があります。
 会議を適切に進めるには、これらを場面に応じて使い分け、積み重ねていく必要があります。それぞれについて解説します。

 〇会話
  まずは身近な話題でのおしゃべりで場を和ませ、参加者同士の人間関係をよくします。気軽な雰囲気の中で情報交換ができれば「ライバル社で新製品が出そうだ」とか「取引先の経営状況が危なそうだ」などの大事な情報も共有できることがあります。
 〇対話
  お互いを理解し合い、新たな視点を見つけ出すための話し合いです。議題に対して、なぜある人は反対し、ある人は賛成するのか、あるいは賛否を決められない人はどう考えているのか。率直な意見交換で、参加者それぞれの立場や背景を共有します。
 〇議論
  参加者全員が納得できるような結論、合意を目指す話し合いです。それまでにしっかりと会話で人間関係ができ、対話でそれぞれに理解しあっていてこそ、前向き、建設的に話ができます。

 このように、会議とは議論だけをするのではなく、他の話し合いの仕方もあるのだと司会者が理解しておくことが大切です。
 次回は、「議論」しやすくする「会話」や「対話」のコツを紹介します。

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