こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議で役立つファシリテーションスキルを紹介します。ファシリテーションを応用し、ワークショップを社会人教育で活用してみましょう。
前回まで、ある製造業の「部門間同士の風通しを良くする」というテーマに沿って、社員全員が取り組める実践的な方法を決めるためのアクティビティを重ねてきました。
グループごとで参加者の関係性をつくり、次にグループ交流でアイデアに工夫を加えました。そして、実行案を決める前段階として、100個以上の案に対し、新規性、実効性、持続性の3つの評価基準で『多重投票』を行いました。その結果、多くの支持を集めた案が一目瞭然となり、絞り込まれました。
ここから『最終投票』で実行案を決めます。参加者は、何に決まるかの期待のほかに、決め方にも関心があります。どのように決まったかの納得度合いが、今後の取り組み姿勢にも影響を与えます。ファシリテーターは、「勝手に決められた」「意に添わぬことをさせられる」とならないよう、参加者の表情や態度に注意を払いながら、ゆっくり丁寧に説明しましょう。
セリフで示します。
「実行案の決め方を説明します。多数決です。多重投票は無記名でしたが、今度は挙手です。ひとりひとりの意思が明確になります。
一人一票で、得票数の多い3案までを実行案とし、全員で取り組みます。
得票数が同じで3案以上になった場合、同得票の案で投票し直します。
実行案が自分の希望と違っても、これまでのアクティビティを通じてひとりひとりの思いや考えが反映されています。
今一度テーマをしっかり意識してください。どうすれば部門間の風通しを良くできるでしょうか。(参加者の気持ちを整える)」
「では、私が、選ばれた案をひとつずつ読み上げます。取り組みたいなら挙手してください。」
次回は最後のセッション「今後の進め方、まとめ」を説明します。
ワークショップをやってみよう(20)