みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
営業の商談をテーマにした16回目です。引き続き、論理的コミュニケーションについて考えます。今回は、接続詞で話の論理構造をわかりやすくするコツを学びましょう。
接続詞とは、二つの文、句をつないで、前後の関係を示す言葉です。さまざまな種類があり、順接(だから/そこで、など)、逆説(しかし/けれども、など)、選択(または、あるいは、など)のようにいろいろな働きがあります。これを使うか使わないかで、発言や文章の分かりやすさは大きく変わります。例をみてみましょう。
次の文章がありました。
「X社は社長が交代し、業績が落ち込んだ」。
これを読んだ2人が話し合っています
Aさん「社長のせいで業績悪化かあ。経営手腕がなかったんだな」
Bさん「え?社長のせい?業績悪化は、社長が代わってから不景気になったりしたせいじゃないの?」
同じ文章を読んだのに、2人の解釈は微妙に違います。そうなった理由は、この文章に接続詞が使われていないことにあります。
もし、文章が次のようだったらどうでしょう。
「社長が交代した。そのせいで、業績が落ち込んだ」。これならAさんもBさんも、業績悪化の原因は社長だ、と読み取るはずです。
「社長が交代した。それにも関わらず業績が落ち込んだ」であれば、業績悪化は社長のせいではないことが、誰が読んでも明らかです。
しかし、元の文には接続詞がなかったので、AさんもBさんも文章の前後のつながりを自分の想像で補いました。そのために解釈が異なってしまったのです。
このように、接続詞を使わない文章や発言は、誤解を生むことがあります。日常生活では、話の前後関係があいまいでもそれなりに会話は通じますが、ビジネスでは、それが問題を引き起こす場合もあります。ごく短い接続詞が、論理的な文章、発言の大きなポイントです。
毎日のコミュニケーションの中で、接続詞に意識を向けてみてください。では、またお会いしましょう。
「営業でつかんだコミュニケーションのツボやコツ!」(22)