メルマガバックナンバー 松原里実執筆記事

「接遇のチカラ」(38) 知らないところにも視線あり ~思っていても伝わらない

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
先日、とある施設(公民館のような所です)の接遇チェックをする機会がありました。このチェックは職員の身だしなみや立ち居振る舞いなどの応対面だけではなく、設備面なども見てまわります。ご依頼くださった担当の方から相談されたのは設備面での利用者さんからの評価でした。「なんとなく雑然」「すっきりとしていない」というお声をいただくそうです。職員の皆さんは整理整頓を心がけ努力しているのに、それでも払拭できない、というのです。
チームでいろいろと見て回ったのですが、確かにきちんと整っているように感じます。しかし、「利用者の目線」を念頭に置いてもう一度、ラウンドすると、あることに気が付きました。
換気のために、使われていない部屋やスタッフルームの扉や窓が半分ほど開かれています。そこから垣間見えるのは、雑多に置かれた職員さん達のユニフォームや荷物、貸出機器です。
受付カウンターなどから見える光景はスッキリとしています。ですが、開いている扉の奥に視線をうつすと、とても「生活感」がある場所が見えます。利用者さん達は、この印象から「なんとなく雑然としている」ような感想を漏らしたのでしょう。
職員さん達は「利用者さんは受付カウンターや借りた部屋しか見ていないと思っていた」と、はっとしていました。利用者の視線は、自分達が応対する場所だけだと思い込んでいたのです。
これ以後、この施設では防犯も兼ねて、スタッフルームや部屋の窓や扉を、開館時間中はきっちりと閉めることにしました。すると「なんとなく雑然」の声も減ったそうです。訪れる人が多ければ、見つめる視線も多くなります。「どこを見られているか」を考えるには「いつもの自分」ではなく、「部外者」の視点を取り戻すことが重要なのです。

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