メルマガバックナンバー 松原里実執筆記事

「接遇のチカラ」(35) 「いつも通り」が落とし穴2~思っていても伝わらない

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
前回、バイトのお兄さんがお客様から怒りを買った、というエピソードをご紹介しました。お客様がアイスを選んでいる最中に、そのショーケースの真ん中に、品出しする商品の大きな箱を置き、品選びを邪魔したからです。そのバイトのお兄さんは、いつも好感のもてる接客をしているが、自分の行動がなぜいけないのか分からない。今回はこの点についての解説です。
「いつも通り」が今回の落とし穴でした。このバイトのお兄さんは、おそらく「ベテランさん」です。感じの良い接客をしながら業務をするには、ある程度の「慣れ」が必要です。慣れていなければ、様々な業務に追われ、お客様対応に気を回すことができません。反対にお客様への気遣いに囚われ、業務がきっちりできないこともあります。
このバイトのお兄さんは、自分なりのやり方を持っていて、それが良い評価につながっているのをわかっている。だからこそ、自信をもって仕事に励んでいたのでしょう。
しかし、そこが落とし穴です。いつも通りの「アイスの品出し」のやり方に自信をもっているからこそ、「いつも通り」ショーケースの真ん中に、箱を置いた。お客様にも「いつも通り」明るく声をかけた。
どちらもマイルールに従っての行動でした。しかし、彼には、自分や相手、そして全体を見渡す視点が欠けていました。自分の品出しの仕方を「今」したら、お客様が「今」している商品選びを妨げる。それが「いつも通り」に流されて見えなくなってしまったのです。見えなければ、相手の気持ちを感じ取れませんし、ましてや行動には結び付きません。「相手のためのコミュニケーション」には、見渡す力が必要なのです。
「いつも通り」の落とし穴を避けるために、一段高いところから全体を見渡す力を身につけましょう。それが「相手のためのコミュニケーション」の実践に結び付くのです。

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