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「接遇のチカラ」 (25) ぐっとと黙っているスキル~思っていても伝わらない

 こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。(今月は祝日のため配信日を変更しています)

 接遇は「信頼関係」を構築するスキルです。信頼関係をつくりだすために、第一印象への気遣いや言葉遣いなど、能動的に行動する術を考えてきました。今回は逆に黙っている、行動しないということも必要というお話です。「守秘義務」を例にあげます。
 
 明るい性格で友だちとのおしゃべりが大好きなA子さん。パート先はちょっと価格が高めなスーパーです。立地もなかなかの高級住宅街なので、有名な芸能人も訪れます。A子さんはこの職場に優越感を持ちつつ、楽しく仕事をしていました。
 ある日、店に一本のクレーム電話が入りました。
 「おたくの従業員が客の個人情報を撒き散らしている」
 電話の方はこの店をよく利用するそうで、従業員の顔を知っているとのことでした。
 「おたくで働いている女性をバスの中でみた。芸能人の買ったものやら、連れていた子どもはどんなだと、しゃべっていた。プライベートを公共の乗り物の中でべらべらと吹聴するとはなにごとだ。社員教育のなっていないこの店にはもう行かない」
 店長はA子さんだと推測しました。彼女は「確かに話したかもしれない…」と、その時初めて自分の行動に気がつきました。たった一回、立ち話を聞かれただけで、お客さんとの信頼関係はいとも簡単に崩れてしまったのです。
 
 守秘義務は信頼関係をつくるためには欠かせません。そして、信頼関係を構築するスキルが接遇です。見聞きした情報が「そんなすごいことを知ってるんだ」と称賛されるものだと思ったら、つい口にしたくなります。しかし、スキルを持っていたら、状況を判断し、その気持ちにブレーキをかけられます。ついうっかり、は誰でもあり得ます。でも、それは減らせるのです。
 自分の行動を見つめ抑えるスキル。それも接遇です。

  • この記事を書いた人
松原 里美

松原 里美

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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