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ハラスメントなんて怖くない!(3)

こんにちは!第1、3月曜日を担当いたしますキャリアコンサルタントの柴田登子です。
 今回お届けするのは「ハラスメントとなぜ言われるの?」です。
実は、この問題のほとんどが意図的に行ったものではありません。加害者と呼ばれた人は、ごく普通のコミュニケーションと思っていた行為について「ハラスメントだ!」と指摘されています。これまでは問題がなかった言動で、最近になってNGとみなされるようになったものが急速に増えたからです。
 この原因に、世の中における急速な価値観の変化が考えられます。世の中の常識は、社会情勢や権利意識の醸成などによりどんどん変わっていきます。
 例えば食事の時、会話を楽しみながら場を和やかにするのもマナーの一つでした。しかしコロナウイルス流行後は黙食が当然で、むやみにしゃべる人は嫌がられるようになりました。
 ハラスメントについても同様です。これまでは上司にひどく叱られて、それが理不尽な内容であっても従うものという考えがありました。しかし今ではそれを行き過ぎた指導と捉え、果ては「精神的な攻撃」だと指摘されます。また、職場で年長の男性が若い女性に「〇〇ちゃん」と呼ぶのは親しみの表れと考えられて
いました。それが今ではセクハラと言われるのです。このように、価値観は急速に変化しているのです。
 昨年、とある70代の市長が東京オリンピックで入賞した20代の女性選手の表敬訪問を受け、そのメダルを噛んでたいそう非難されました。以前なら高齢の地位の高い男性が若い女性を軽んじても冗談で済まされていました。しかし、現在は年齢や立場がどうあれ、相手が不快に思う行為を断じて許さない世の中になりました。市長の「愛情表現だった」という発言やそれを擁護する熟年者層の意見に、世代による感覚の違いが浮き彫りになった一件でした。
 あのような騒動に自分が巻き込まれないよう、今の世の中で何がOKなのかダメなのかを把握しておきましょう。

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