メルマガバックナンバー 松原里実執筆記事

「座談十五戒」から学ぶ~話すこと・聞くこと

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
これまで徳川夢声氏の著書『話術』にある「座談十五戒」をひとつずつ取り上げ、コミュニケーションのコツを学んできました。
徳川夢声氏は「相手の話をよく聞く」ということを会話の要(かなめ)としていると、前々回のメルマガでお伝えしました。
「話を聞いてもらえた」と相手に実感させるのは、コミュニケーションを深める第一歩です。座談十五戒には、話し方だけではなく、どんなふうにしたら「あなたの思いを受け止め、聞いているよ」を伝えられるか、というヒントも示されていました。
「自分の話を聞いてもらえている」と感じたら、人は喜びを抱きます。すると「もっと話をしたい」という気持ちになり、場を弾ませる第一歩になります。
逆に「聞いている」という姿勢が伝わらなければ、会話は続きません。どんなに相手を大切に思っていても、相手が「私の話を片手間で聞いているな」と感じたなら、その会話は弾まず、うわべだけのものになってしまいます。
聞く姿勢が伝わることで信頼関係は生まれます。そこから、自分の胸の内を明かすステップへと進めます。そんなやり取りが深まれば、さらに関係は強くなっていきます。
「話を聞いてもらえた!」という喜びは何ものにも代えがたいものです。だからこそ、嬉しさを分かち合ったり、辛さを吐き出したり、というステップに進めます。また、安心して話すことで、話し手の心の整理もできます。このように「聞く」は大きな力を持っています。
4月からは、この「聞く」に重点を置き、皆様と考えていきたいと思います。

※「話術」(新潮文庫) 著者:徳川夢声 新潮社
(1947年に秀水社から出版されたが、2018年に新潮社より復刻)

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