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ファシリテーションの基礎スキル 傾聴(11)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回までは『沈黙』を紹介してきました。今回は、『意見に応える』と題し、相手の発話に対する応え方を解説します。
あなたの問いかけに対し相手が応えます。その際に有効なのが、「相槌(あいづち)」や「反復」です。
 相槌とは、相手の話にちょっとした言葉を挟む行為です。
 例えば、新入社員が上司に自分の意見を述べている場面です。発話を遮らず、気持ちよく話せるようリズム良く合いの手を入れるのがコツです。理解を示すなら「うん、うん」、驚きや感動を表すには「へぇ~」、納得を示すには「なるほど」があります。
 しかし、「ああ」と不機嫌そうだったり、「それで?」と急かすようだったりすると、新人が話しにくくなります。
 反復とは、相手の言葉を繰り返し、理解や共感を示す行為です。
例として、上司が新人の部下に業務日報の提出を指示したところ、部下が書き方に悩み、「難しいです…」とこぼしたとします。それに対して、「うん、難しいね」と繰り返せば、部下には自分の気持ちを受け止めてもらえたという安心感が伝わります。
 なお、次の行為は相槌や反復の誤った使い方なので注意しましょう。
 相槌では、「はいはいはい…」「うんうんうん…」と連呼する合いの手を時折見かけますが、馬鹿にしている、見下しているように感じられる可能性があります。
 反復では、言葉を言い換える、勝手な解釈をするのも相手に不信感を募らせます。
 「カレーが好きです」「辛いものが好きなのですね」「いえ、あまり辛いのは好きではないです。キムチなんかも苦手ですし。(今はカレーの話がしたいのに、余計なことを言わないで欲しい)」となり、勝手な言い換えは会話の妨げになります。
 次回は「相手を否定しない」を解説します。

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