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ファシリテーションの基礎スキル 傾聴(23)  

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回まで「話を促進させる一言」をテーマに、状況に応じた「一言」「言い回し」を解説してきました。
今回は接続詞の重要性について述べます。例を示します。ある会議の冒頭で司会進行者が次のように述べました。
「全員発言して、結論を出しましょう」
一見、平易な文ですが実はあいまいです。この文は、まず次の2通りに解釈できます。
1)全員発言することにより、結論が出せる(因果関係)
2)全員発言する。その後、結論を出す(時間的な前後関係)
さらに、次の解釈も可能です。
3)全員発言して、(意見をまとめるのが難しくても)結論を出す
こうした複数の解釈を生まないようにするため、接続詞が有効です。
それぞれを書き換えてみます。
1「全員発言しましょう。それで、結論を出しましょう」
2「全員発言しましょう。その後、結論を出しましょう」
3「全員発言しましょう。それでも、結論を出しましょう」
こうすれば、意味が明確になります。
場の状況や発言の主旨に合わせた接続詞を用いれば、前後の文の関係性を正しく理解・把握できます。
以下に接続詞の一覧を記載します。日本語には6種類の接続詞があります。
*順接 それで、だから、そこで、すると、したがって
*逆接 しかし、だが、けれど、けれども、ところが
*並立・添加 また、そして、なお、それから、しかも
*対比・選択 それとも、または、もしくは、あるいは、そのかわり
*説明・補足 つまり、なぜなら、すなわち、たとえば、ただし
*転換 ところで、さて、では、それでは、ときに
他にもありますので、ぜひ辞書等で調べてみてください。
次回からは新テーマ『ミーティング・マネジメントの具体的な進め方』を説明します。

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