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ファシリテーションの基礎スキル 傾聴(21)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
今月は、「話を促進させる一言」をテーマに、状況に応じた「一言」「言い回し」を解説しています。
今回は、話の優先順位を付けたいときの言い回しです。あれこれ意見が出るものの埒が明かない時は「まずは…」を使ってみましょう。
事例に、ある製造会社での会議場面を挙げます。得意先から突然次のような発注があったのです。
「商品Xを5営業日中に当社倉庫に納めてほしい。数量を通常の3倍にするので、半値にしてほしい」
そこで関連する各現場の担当者が集まりました。
品質管理担当A 「品質が評価されているのだ。すぐに出荷!」
商品物流担当B 「納期も、いつもの倉庫なら十分間に合う」 
資材購買担当C 「言い値に応じると、この量では原価割れする」
など、意見は出るが対応策が決まりません。
そこで、生産管理担当Dが「まずは何を優先するか決めませんか」
と問いかけました。すると、担当者はそれぞれ考えました。
C 「出荷すればするほどうちが損していく勘定だ」
B 「確かに、円安で資材費の高騰が激しい」
A 「得意先の信用と要望に応えたいが、売値が問題か」
担当者たちは、この発注はQCD※のバランスが取れていないと気づきました。そこでDが「まず、見積交渉しては」と提案したところ全員賛成しました。
このように論点の優先順位を考えることが重要です。
同様の言葉に「最初は」「一つ目は」「どこから」「何から」などがあります。これは、何かをやめる場合にも使えます。
例:「我が社がこの市場から撤退するにあたり、何からやめていきますか」
次回は、このテーマの最終回として「目的を問う言い回し」を説明します。
※主に製造業における開発生産指標。Quality(品質)、Cost(経費)、Delivery(納期)の頭文字を取ったもの。事例ではCostが問題でした。

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