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ファシリテーションの基礎スキル 傾聴(17)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
今月は、「話を促進させる一言」をテーマに、状況に応じた「一言」「言い回し」を解説しています。
今回は、話の内容をつかみたい場合の言い回しです。
相手からの情報が不足していたら、「詳しくは」「他には」を使ってみましょう。
例として、上司が部下の業務報告を聴いている場面を挙げます。
上司「出張は成功でした。うまくいきました」
部下「うーん、詳しくはどういうこと?」
上司「契約は取れました。先方も納得されています」
部下「よくやったね。他にはどうかな?」
上司「あ、そういえば、契約期間を延長してほしいと要望がありました…」
ビジネス会話では結論を先に述べるのが原則です。時間をコストと捉えたとき、いつ話が中断されても良いように、必要な情報から述べることが理屈に合っているからです。そして、もし時間に余裕があれば内容の詳細を述べる。これが一般的な心構えでしょう。
しかし、十分な時間があるにもかかわらず、結論(結果)だけを言って終わりの方もいますよね。その際、なぜそうなったか、他に伝えることは無いかといった情報の不足を補うため、聴き手から働きかける必要があります。
似た表現に「それから」「さらに」などがあり、これらの言葉を受けて相手が必要な情報を話せば抜け漏れを防げます。
ただし、「他にはもっとないの?」と詰問するような口調で言われたら、相手は「何か忘れていないか」「隠さずしゃべれ」と責められている感じがして、話すのが苦痛になるので気をつけましょう。
行った成果をきちんと共有しようという気持ちを込めて、丁寧に言葉をかけてください。相手が一言述べたら、一旦しっかり受け止め、さらに話を聞いていく流れが大切です。
次回は「本質をつかみたいときの言い回し」を紹介します。

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