こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
ファシリテーションを応用し、「ワークショップ」を社会人教育で活用するために、その主流である「研修」と比較しながら特徴をつかんでいきましょう。
先月から、プログラムの各パートを順次説明することとし、まずは冒頭の「ねらい」で、期待される効果の違いを挙げました。今回からは、進行管理を担当する「人」に焦点を当てます。
研修では「講師」、ワークショップでは「ファシリテーター」がそれぞれ現場を運営しますが、共通する点、違う点があります。共通するのは「専門知識」「説明能力」「威厳ある態度」です。順に見ていきましょう。
1.専門知識
指導内容について周辺関連分野までを含めた幅広い専門知識を持っている、また、一般的な基礎知識としての教養を有していることが求められます。
2.説明能力
受講生に的確に説明する、また、専門用語についてもわかりやすく、かみ砕いて話す必要があります。なお、一方的に話し続けるよりも、適度に区切り、「ここまでは良いですか?」と理解度を確認しながら解説すれば、相手には親切と受け止められます。
3.威厳ある態度
「意義のある時間にしたいので、皆さんにも協力してほしい」という協働のメッセージが信頼・尊敬される態度を保つうえで効果があります。「こんなことがわからないのか」と高圧的な物言いで相手を委縮させる、反対に、「皆さん賢いので、私も楽です」と機嫌を取る、おもねるような発言はやめましょう。
これら3点は、人前に立って指導する役割を担う際の土台として最低限必要です。ここがぐらついていてはいけません。
次回は、講師とファシリテーターの違いについて説明します。
ワークショップをやってみよう(7)