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オンラインによるファシリテーション(22)

こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回までは、「オンライン会議における議題の進め方」をテーマに、4つの段階に分けて説明してきました。
今回は補足として、オンラインならではの特徴を取り上げます。それは、非言語メッセージの弱さです。対面と大きく違う点です。
非言語メッセージとは、言葉以外の表情、視線、声や口調、姿勢や動作、お互いの距離感などでやり取りするメッセージです。
オンラインでは、モニター上で区切られた枠の中で、参加者の顔、胸から上の首回りあたりしか見えませんので、会議中で得られる非言語メッセージの情報量は、対面と比べて圧倒的に少なくなります。
それなのに、これらに気づかないまま進行すれば、参加者を放置していると捉えられ、「発言したいのに無視されている」「自分はこの会議には必要ない」という感情や思考を引き起こしやすくなります。
というのは、参加者が不満や不快感、苛立ち、敵意などを持っていれば行動や表情に表れますが、オンラインでは読み取りが難しいのです。例えば、指先で机をトントン叩く、足をゆする(貧乏ゆすり)などは、画面の外で行われていればわかりません。ため息もミュート(消音)にしていると他者には聞こえません。特定の誰かをにらみつけているとしても対面のように明確ではありません。
このように、オンラインでは、相手がどのような感情や思考を持っているか読み取りにくいので、見えている顔の表情によく注意を払い、まめに声をかけましょう。いらいらしているように感じたり、発言も無く黙り込んでいたりしたら、躊躇せず「意見があればぜひどうぞ」「納得されていますか」など問いかければ、参加者は安心して参加できます。
次回からは新シリーズ「ワークショップをやってみよう」を連載します。

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