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「接遇のチカラ」(48) 「座談十五戒」から学ぶ~コボシ屋たるなかれ

 こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
 コミュニケーションは相手ありき。そのために接遇のスキルを活かします。徳川夢声氏「話術」の「座談十五戒」から、このコツを学びます。
○第7戒 コボシ屋たるなかれ(P79~80)
 自分の気持ちを伝えることは関係構築には大切です。とはいえ、不満をぐちぐちと言い続ける、愚痴の「コボシ屋」になってはいけません。
 私の友人から、先輩が困ったコボシ屋だ、とこぼされました。先輩は口を開けば、愚痴ばかり。友人はそれを聞くたびイラっとします。他の人も同じように感じているのか、愚痴が始まると部署全体が暗いムードになってしまいます。特に後輩は、もう辛くてたまらない、とコボすそうです。コボシ屋先輩から巻き起こる悪いコボシの連鎖です。徳川夢声氏はこんな先輩のような人を「自分だけいつも理不尽に不幸であるように思いこんでいるので、いつまでたっても救われない」と述べています。
 とはいえ、コボシも上手く使えば、会話の「薬味」になります。次に挙げるABのどちらに、あなたは好感を持ちますか?
 例)集計表を作っていた同僚。しかし、保存前にパソコンがフリーズ。残念ながら一からやり直しとなった。そんな時のコボシ。
 A)急に固まるなんてある?保存してないのが悪いんだけどさ…。
   また最初からなんだよね…。
 B)あ、固まった!保存してなかったらね。予行練習しちゃったよ(笑)
 人の感じ方はそれぞれですから、どちらが良い、とは断言できません。ですが、Bは明るく言っています。これなら自虐ネタの話題になり、場は暗くならなそうです。「元来人間というものは、他人の不幸を喜ぶ」が夢声氏の裏付けです。どうせ言うなら「薬味をちょっぴり」くらいにしましょう。コボシ屋先輩のように場を暗くしてはいけません。「コボすなら、巧くコボして戴きたい」ですよ。
 次回の「自慢屋たるなかれ」で、愚痴とは反対の自慢のこぼし加減を考えます。

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