■ワンポイント・エッセイ
選ばれ続けるための条件(6)細かい“感動”の演出 その3
占部 正尚
ある研修を企画・運営する会社では、講師に「研修終了後、必
ず翌日に報告書(講師所感)を提出すること」と義務付けている
そうです。すなわち、スピーディーな対応によって、キーマンと
の接触頻度を感動のレベルにまで高めることが目的です。
報連相の徹底という点では良い方針と思いますが、現在はIT機
器も発達し、以前に比べると感動のハードルも高くなっており、
これだけでキーマンの気を引くことは難しいでしょう。
これに対し選ばれ続ける講師は、その日のうちに報告書を作成
してキーマンへメール添付で送信します。飛行場の待合室、新幹
線の中など、書く場所はいくらでもありますし、Wi-Fiが使用
る場所も増えています。
さらには、報告書の提出が義務付けられていない先には研修終了
後、1時間以内にメールで簡単な実施状況を報告します。
「仕事を獲得するために、そこまでする必要があるのか?」と思
われた方も多いでしょう。仕事のためという銭勘定だけで捉えると
たしかにやり過ぎかも知れません。
ここで大切なのは、「キーマンは研修の無事終了を心待ちにして
いるだろうな」「受講生(社員)たちの成長を楽しみにしているだ
ろうな」という気持ちから、早め早めの報連相になったということ
です。
こうした、行動を伴った気持ちというものは、必ず相手に伝わり
ますし、結果として仕事の継続受注へとつながっていくものです。
選ばれ続けるための条件(6)占部正尚