講師のワークライフバランス(3)目的意識 その2 占部 正尚
講師の仕事は、替えの利かない仕事だとよく言われます。むしろ
「ぜひ、この講師にお願いしたい」と顧客に言われるようになりた
いものです。
そう考えると、何らかの理由で登壇できなくなる事態は何として
も避けなければなりません。
もちろん、身内の不幸や天変地異など世の中には避けがたいもの
も存在しますが、病気やケガなど、少なくともある程度は自分でコ
ントロールできるものは確実に対処する必要があります。
特に病気についてはストレスが原因でなるものが多く、これを軽
減するためにも、講師にこそワークライフバランスが大切であり、
プライベートを充実させるという私的な目的意識が重要な意味を持
ってくるのです。
たとえば、超多忙であるはずの大手企業の経営者同士が趣味の陶
芸サークルを作ったり、定期的にツーリングに出かけたりといった
事例をよく聞きます。
選ばれ続ける講師も、365日24時間体制で働いているように
見えて、多くの方が趣味に没頭する時間を設けたり、旅行に出かけ
たりと、上手くスケジュールをやり繰りしています。
これは“ガス抜き”といった対処療法ではなく、自分の人生を充
実させるという私的な目的意識から生まれるものと捉えられます。
こうして自分を大切にする姿勢は、ストレスを軽減して病気にな
る確率を低くするだけではなく、講師としての幅の広さや余裕にも
つながっていきます。
講師のワークライフバランス(3)占部正尚