■ワンポイント・エッセイ 選ばれ続けるための条件(8)
ビジョンを語り合う 最終回 占部 正尚
顧客企業・団体から講師の依頼を受けたとき、担当するテーマ
に関して、その組織が5年後・10年後にどうなっているか、す
なわちビジョン(将来像)をイメージできていますか?
マナー研修であれば、社員・職員の皆さんがマナーを通してど
のように顧客満足度の向上に貢献しているか、戦略系の研修であ
れば、どのように環境の変化に適応して事業を進化させているか
を鮮明にイメージしてはじめて説得力と迫力に満ちた研修が実現
します。
さて、皆さんは研修担当者やキーマンとビジョンについて語り
合っているでしょうか。その回を無難にこなすための準備に終始
してはいないでしょうか。
研修業務を平均点でこなす講師は、顧客企業にとって“一業者”
に過ぎません。一方、研修を受けた社員・職員が創り出すビジョ
ンを語り合える講師は、“パートナー”として認識していただけ
ます。
中には「オーダーした研修プログラムをこなしてくれるだけで
いい」というスタンスの担当者もいます。これは、研修を実施す
ること自体が目的であり、効果やビジョンにまで考えが及ばない
残念なケースです。
しかし、そういった場合でも少しずつビジョンを語りかけてい
けば、「この講師と付き合っていると、いいことがあるかも知れ
ない」との気づきが生まれる可能性が高まります。
選ばれ続けるための条件、それは顧客から“パートナー”とし
て認識していただくことなのです。
選ばれ続けるための条件(8)占部正尚