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ファシリテーションの基礎となる思考方法 クリティカル思考(4)

こんにちは! 毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
今月はクリティカル思考(Critical Thinking:批判的思考)を取り上げています。そもそもの前提や他の可能性をチェックする機能が特徴です。また、思考の癖(バイアス)を是正する働きがあり、いくつかのバイアスを紹介しました。
今回は「正常性バイアス」です。人は予期しない状況に遭遇すると、都合の悪い情報を否認したり、無視したりして、不安を打ち消そうとします。
「まさか自分にだけはありえない」という心理が働き、もたもたしているうちに必要な手を打てず、良くない結果に至ります。
しかし、クリティカル思考を使えば、明確な判断を下せます。
活用事例に、今回もある製造企業の宣伝部での会議を取り上げます。
主婦3名だけの試用データから販売を決定した新製品XXの売れ行きが良くなく、加えて他の商品の売れ行きも落ちています。そこで急遽対策を検討することになり、メンバーが各々の見解を述べています。
「伝染病の影響ですよ。落ち着けば戻ってきますよ」「先行き不透明な時代でしょう。買い控えが影響しているのかも」「他社も新製品が出せなくて大変かもしれませんしね」などと、全体的に「何とかなる」「次がんばればいい」という雰囲気になっていきました。
すると、クリティカル思考の心得のあるDさんが述べました。「売上の減少について、現実を直視するべきではないでしょうか。例えば、顧客の購入履歴から、最近の購入状況についてヒアリングやアンケートを実施する、また、本当に他社も売上は減っているのか、調べた方が良いですね」
そうするとメンバーからも、「そうですね、根拠のない楽観主義はいけない。真剣に挽回策を考えていこう」という声が上がりました。
次回も、バイアスを是正するクリティカル思考の活用事例を紹介します。

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