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□ 講師道錬成道場『雙志館』通信 -2017年9月4日-
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■ワンポイント・エッセイ
研修を原点から見直す(その4)講師の問題(1)占部正尚
研修を社員のスキルアップ、ひいては組織の活性化に役立て
るためには、企業側の姿勢とともに、講師の力量が重要である
は言うまでもありません。
受講生の障害(吃音)や過去のいじめ体験を無理に聞き出し、
自殺につながるほどの負荷をかけてしまった講師は、おそらく
エンカウンターという「本音を表現し合い、それを互いに認め
合う体験」というノウハウを参考にしたと推測できます。
これ自体は非常に効果の上がる手法ですが、経験不足かつ理
解の浅いまま使うと、今回のような危険きわまりないものとな
ります。
このノウハウが開発された欧米(キリスト教圏)は、「懺悔」
という習慣があり、本音を語り合うことに抵抗が少ないという
傾向があります。
一方、日本では「秘すれば華」という精神構造が脈々とありま
すので、本音を語りたがらないのが特徴です。
ですから、いきなり日本人に欧米の価値観に基づいた手法を無
思慮に使用すると、相手の心を閉ざしたり、深い傷を与えてしま
うことは以前より研修業界で指摘されてきました。
講師は、自分の専門分野の知識を深めるとともに、歴史的、文
化的、精神的な背景を踏まえた講義ができるよう自己研鑽してく
ださい。
研修を原点から見直す(4)占部正尚