■ワンポイント・エッセイ
講師に求められる仮説力と質問力(その1) 占部 正尚
選ばれ続ける講師陣と面談した際に、共通点があることに気
づきました。それは、あらゆる場面で「仮説」を立て、検証す
るための「質問」を欠かさないことです。
これについて、(1)講義、(2)受講生からの質問、(3)
注文をケースとして取り上げながら、まずは「仮説」の立て方
を解説します。
まず、(1)「PDCAサイクルの重要性」を講義する際、例え
ば「Plan(計画)を立てずに漠然と業務を進め、成果が出ない
受講生が多いのではないか」という仮説を立てます。
具体的な計画の立て方を教えることで講義内容が実践的にな
り、結果として講師としての評価も高まるでしょう。
次に、(2)受講生から「クレームをもらった顧客に頭を下げる
時、おじぎの角度はどうしたらいいか?」と質問された際、真
に受けて「45度の最敬礼がいいよ」と答えても、選ばれ続け
る講師にはなれません。
やはり「この受講生は、おじぎを何のためにするのか分かっ
ていない」という仮説を立て、回答内容を深掘りして考える必
要があります。
次回は、(3)顧客から注文を付けられる場面、および的確な仮
説を立てるための3つのポイントについて解説します。
講師に求められる仮説力と質問力(1)占部正尚