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「接遇のチカラ」 (16) 「自己重要感」を心に留めて~思っていても伝わらない

 こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
 日常だけではなく、仕事でも円滑なコミュニケーションをとるためには、相手の自尊心を大切にする心遣いが大切です。
 自尊心は大きく3つに分けられます。「好感」「自己重要感」「自己有能感」の3つです。今回から、これらを一つずつ考えます。
 今回は「自己重要感」です。
 「自己重要感」とは、ここでは「自分には価値がある」という意味です。「私は大切な存在なんだ」と感じれば、自信を持ち、前向きになることができます。
「自己重要感」が損ねられた私の思い出ですが、派遣社員として働いていた時、「派遣さん」と呼ばれるのが嫌でした。「名前も覚えてもらえない」と感じたからです。仕事への意欲も少し削がれました。
これとは反対に名前を呼ぶ側に立った例で医療・介護機関でのクレームに「勝手に老人扱いされて馬鹿にされた」というものがあります。スタッフの「おじいちゃん、どうしたの?」などの声かけに対するものです。「親しみを感じてもらえるように」との思いでしているのですが、呼ばれた方からは「私の名前を覚える気もないのだな。十把一絡げにされて不愉快だ」と受け取られます。
その他の「自己重要感」を損ねた例として、医療機関で「外来受診で『医師がパソコンばかりして、私を見ていない』」というクレームがあります。医師の「見落としや記録ミスをしないように」とPCの電子カルテを操作する姿が、患者さんには「片手間だ」と映ってしまったからです。
この「自分を軽んじられた」印象が「自己重要感」を損ねます。そうならないように普段から気をつけましょう。

[ワンポイント…相手を名前で呼ぶ・作業の手を止め目を合わせる]
先ほどの例であげたように、「自分の存在を受け止めている」と認識してもらうことが必要です。ですから話しかける時は、名前で呼びましょう。名前が分からないからといって、勝手に、おじいちゃん、おばあちゃん、奥さん、などと呼ぶのは避けましょう。決めつけられた印象を持たれます。
また、作業しながらの声かけとなる場合もあります。その際は第一印象の決まるといわれる3秒間、その手を止めて視線を合わせましょう。これで相手は「自分は大切に思われているな」と実感できます。

 コミュニケーションは相手を尊重することで円滑になります。「自己重要感」を相手に伝え、心地よい場をあなたが作りましょう。

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松原 里美

松原 里美

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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