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「働く」ことの意味

こんにちは!第1、3月曜日を担当いたしますキャリアコンサルタントの柴田登子です。今回は「働く」意味について最近感じたことをお伝えします。
 「働く」ことはあらゆるストレスをもたらします。技術やスキルを上げるために勉強しなければならない。通勤も大変です。業績や売り上げにヒヤヒヤさせられます。そしてパワハラ、出世競争など人間関係の難しさにも悩まされます。「働かない」を選べるのなら、どんなにストレスフリーでいられるのだろう、私など何度そう思ったかしれません。
私はニート、つまり教育を受けず就労もしていない人の支援施設でもカウンセリングを担当しています。利用者が施設に来る事情はさまざまですが、その多くがうつろな目をしながら「何のために生きているのかわからない」と、不安を口にします。しかし面談を繰り返し、週1日の短い時間でも就職が決まり、働き始めるとその人たちは劇的に変わります。笑顔を見せ、よく話すようになり、顔色も格段に良くなります。そして必ずこう言うのです。
「仕事を始めたら不安から解放された」
 私はいつもこの言葉にハッとさせられます。ニートは比較的裕福な家庭の、働かなくても生きるのに困らない環境の人が多いです。
ストレスがあったからこそ社会から離れ、家に閉じこもったのでしょう。しかし「働く」ことから解放されれば次は、「働かない」不安に襲われます。生きていても何の、誰の役にも立っていない・・。
その不安はもっと大きく、苦しいのです。だから彼らは再び仕事を始めると、「働く方が働かないよりよりずっと楽」と感じるのです。
「働く」ことはあらゆるストレスをもたらすものであっても、知らず知らずのうちに「働かない」という不安から解放してくれます。
それもまた「働く」意味なのではないでしょうか。

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