毎月2回、第1、3土曜日に歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。今月は、第5土曜日にもお届けします。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
引き続き、戦国時代末期に創始された一刀流に伝わる歌を取り上げます。
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月々にすすめば日々にあがりえて 十の坂をものぼり越えなん
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絶え間なく進めば、少しずつでも上達し、困難を乗り越えられるという意味です。「月々に」には、音が似ている「次々に」の意味も含めてあるのかもしれません。後半の「十の坂」も「とおの」、つまり「遠い」がかけてあるように思えます。峠が十か所あるような厳しい道のりも、日々、休まず歩を進めることで乗り越えられるのです。
現代に活かす武道歌(44)