こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
以前より、よいコミュニケーションには、相手の自尊心を対する心遣いが大切とお伝えしてきました。今回は、これを積み重ね、実践している人のご紹介をします。
総合病院の外来にいるベテラン看護師のAさん。もう定年を過ぎましたが、職場から求められ、嘱託で働いています。それは、Aさんは患者さんたちにとって「ほっとする」「安心して受診できる」存在だからです。この病院の「欠かせない人」となったAさんの秘訣は、必ずしている3つの行動でした。
1)患者さんを「名前で呼ぶ」…ほかのスタッフは、つい「おとうさん、どうしたの?」などと声掛けをしてしまいます。ですが、Aさんは必ずカルテを見て名前を確認して呼びます。
2)どんなに忙しくても「目を見て話す」…手を忙しく動かしていても、話すときは視線を合わせています。
3) 話が終わりには「確認の言葉を添える」…説明や受診が終わった時に「何か不安はありませんか?」「困ったことはないですか?」と声をかけています。
自尊心は、好感と重要感、つまり、自分は好かれ、大切な人とし
て扱われている、と実感されたときに生まれます。Aさんはこの二
つを満たしています。
患者さんは「おとうさん」ではなく、名前で呼ばれることで「この人は私をちゃんとみてくれている」と実感します。視線が合い、確認をされることで、不安は解消します。
この小さな積み重ねで、Aさんは「この病院に欠かせない人」になったのです。
職場で人を名前ではなく「パートさん」や「バイトの子」と呼んでいませんか?仕事の指示をしたとき、自分の言いたいことだけを伝え「あとはよろしく」と会話を切っていませんか?時折、普段の自分を振り返ってみてください。
信頼関係はいきなり作れません。コツコツと重ね築いていくものです。
小さなことからまずは気をつけてみてください。それが大きな信頼の輪を作っていくのです。
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「接遇のチカラ」(37) 小さなことからコツコツと~思っていても伝わらない
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松原 里実
研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター →プロフィールはこちら
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