■ワンポイント・エッセイ
プロ意識を体現する(9)謙虚以上、傲慢未満(その5)
占部 正尚
講師にとってのヒューマンスキル(人間関係調整力)とは、受
講生が学習しやすい雰囲気を作り、そのためにも講師との信頼関
係を築けるように工夫する能力のことです。
アンケート結果への対処の仕方は研修テーマによって異なります。
まず、コミュニケーション系やモチベーション系、すなわち受講生
のヒューマンスキルをアップする研修において、「講師が受講生と
あまり関わりを持たなかった」といった意見が複数見られた場合は
謙虚に講師としての同スキルの不足を反省しましょう。
次に、ロジカルシンキング系や法律・財務等の知識系の場合は、
ケースバイケースです。もちろん「明るく楽しく、かつ論理的に
講義を進めること」ができれば最高ですが、たとえ静かな雰囲気
の中でも、受講生がしっかりと左脳を全開させて論理的に考え、
また必要な知識と職場での応用法をしっかりと覚えることが先決
です。
時として、モチベーション系の研修を受け慣れた受講生が、こ
うした異なる種類の研修を受けた際に「講師が硬い、雰囲気が暗
い」といったことをアンケートに書くことがありますが、これは
“建設的”に受け流してよいでしょう。
ただし、「受講生の理解度を把握せずに、どんどん先を進めた」
といった意見が複数見られた場合は、表情や態度から察知できな
かった事実を謙虚に受け止め、次回からの研修で注意してください
プロ意識を体現する(9)占部正尚