メルマガバックナンバー 占部正尚執筆記事

ハラスメント問題について考える(3)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
 ハラスメント問題について考える(3) 隠れ蓑の存在
                               占部 正尚

 ハラスメントについて調べてみると、セクハラを行った人は
「問題になるとは思わなかった」、すなわち相手が嫌がるという
認識がなかったと言い、パワハラを行った人は「相手の成長を願
って、あえて厳しくした」、言い換えれば相手にメリットがある
と主張しがちです。
 つまり、自ら非を認めることは少なく、「相手との間に信頼関
係があるはず」、「相手も成長を希望しているはず」と思い込ん
でおり、前回に説明した毒蝮さんや猪木さんのケースと同じであ
るかのように勘違いしているのです。
 こうした「信頼関係」や「相手の希望」といったキーワードは、
パワハラを行う人にとっては意識的にしろ無意識にしろ「隠れ蓑」
となっており、ハラスメント問題の根を深くしていると言えるで
しょう。
 ハラスメント問題を解決し、みんなが心から安心して笑顔で過ご
せる職場・学校・家庭を築いていくためには、おそらく複数存在す
るであろう原因を特定し、問題をややこしくしている隠れ蓑を排除
することが大切です。
 そのためにも、そもそもハラスメントとは何なのか、また同じハ
ラスメントでもセクハラとパワハラにどのような違いがあるのか、
という基本的な要因を知る必要があります。

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