期待感と達成感(6)
受講生の良い点を見出し、改善策を具体的に提示するスキルを高めることは、選ばれ続ける講師になるための必須条件であることを前回までに解説しました。
このスキルを高めるためには、日常において2つの方向からトレーニングする必要があります。1つ目は、365日・24時間、アンテナを張って物事の良い点や改善点を発見するよう努力することです。
例えば、テレビでニュースを観るときに、漫然と観るのではなく、アナウンサーの話し方について良い点と改善点をメモするのです。あるいは、報道された時事ネタについて、好ましく影響している点と今後のあるべき展望を考察し続けるのです。
2つ目は、特に改善策を考えるにあたって、自分だけではなく講師仲間を募り、複数の目で検討していくのです。なぜなら、自分一人では考え方が片寄る可能性があるからです。
また、複数の意見を聞きながら策を練る習慣が身につくと、講義を行う際に情報の“引き出し”が増え、講師としての“厚み”が出てきます。
もし、酒を飲みながら愚痴を言い合うことが多い人は、いますぐ後ろ向きな関係を断ち、同じく選ばれ続ける講師を目ざす相手と切磋琢磨すべきです。
講師が講義力を高めていく場は日常生活の中に無数に存在し、活用するもしないも自分次第であることを肝に銘じましょう。